スペースモラトリアムノカミサマ

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2010/09/02

_ [Web制作][アクセシビリティ] 規格の策定者が解説する JIS X 8341-3:2010 行ってきた

規格の策定者が解説する JIS X 8341-3:2010、超寝坊して6時間遅刻になったわけだけど、席を確保しておいて行かないというわけにもいくまいと、行ってきた。

フル出席できた質疑の部分だけでもメモっておく。

Q: PDF は対象に含まれるか?

A: 技術は問わないので対象になる

Q: 例外事項に PDF は除いて達成しているというのはありえるか

A: 事情は察しますが、ありません。ただし、PDF の代替としてアクセシブルな HTML を用意しているならあり

Q: もし「PDF がダメなんだったら Word にすればよいよ」と顧客に言われたら?

A: Word の方がアクセシビリティ・サポーテッドだと思うので PDF よりはマシだが、(失念)

Q: 複数のドメイン・サブサイトがあって、サブサイトまで目が行き届かない場合どう宣言すれば良いか?

A: 3.4.1に共通の目的を共有している物が一つの Web サイトであると定義しているので、それ次第。

Q: 第三者のよるコンテンツについて、8.1.3コンテンツ制作者が修正できないの判断基準は? システム的にできるのか人の判断なのか

A: (失念。意味不明な質問だった)

Q: アクセシブルでない動画コンテンツを自サイトではなく YouTube に乗せることで基準達成の逃げ道になるか?

A: 置き場所が自ドメインだろうと他サイトだろうと、自分のコンテンツであるのでサイトの一部であり、第三者コンテンツでもない。余談だが YouTube には字幕をつけることができる。

Q: アクセシビリティ・サポーテッドどの範囲を考えれば?

A: 基準はなく個々の判断となる、しかし皆が迷わずに済むように拠り所なる道筋を WAIC が作りたいと考えてはいる。

Q: 過去の広報誌を PDF でアーカイブしている場合の考え方。例えば広報誌の色のコントラストがアクセシブルでなかった場合、無理矢理コントラストをいじるべきだろうか。

A: 色の話に関していえば、AA 以上の項目なので、そのままでも A には適合となる。ただしこれは電子データから変換した PDF が前提の話であり、紙スキャンによる PDF はアクセシブルではないので NG。

A: 直接関係しないが参考として、7.2.4.10のセクション見出しの項目、簡単そうに見えるのになぜ AAA なのか、これは過去の作品等を Web 化しようとした時、後から勝手に見出しを付ける難しいといったケースが想定されたから。

Q: スマートフォンなど特定のデバイスでしか見られないコンテンツを用意したらそれは Web サイト一式に含まれるか? それも代替のコンテンツが用意できない場合。

A: 一式の考え方に正解はない、制作者に考え方次第。そもそもスマートフォンの方が基本的に機能が限られているのでそういうことが起きるとは考えにくいが…

Q: 機種依存文字についての話が2004年版にはあったが2010年版だとどこに含まれるか?

A: (たぶんない) アクセシビリティの考え方として、障害のある人だけが不利益を被るもののことを想定している。機種依存文字については障害のない人も同様に被害を被るのでアクセシビリティの問題ではないとの考え方。

Q: Flash や Silverlight 等は MS や Adobe と調整しているとのことだが、Ajax のような特定組織に囚われない技術についてはどうか

A: W3C で WAI-ARIA を作っている、もうすぐラストコール。

Q: ブロックスキップの例として富士通のものを紹介されたが、これは7.3.2.5の利用者の要求によってのみ起こる状況の変化に違反してしまうと考えられることはないか

A: 状況の変化とはフォーカスを当てただけでいきなり別のページに飛ぶなどの話を想定したもので、該当しない。

Q: 画像化された文字は弱視者にとってストレス。画像化された文字についてもっと強く禁止することができなかったか。

A: (失念)

Q: 試験方法について、ランダムと非ランダムの組み合わせが効果的とのことだが、Web アプリはどうだろうか。何かアドバイスがあれば

A: 色々ありすぎて、それを試験するものはできていない。WAI-ARIA 待ちの部分もある。

Q: HTML5 で作ってくれとお客さんに言われることが出てきているが、HTML5 への対応について

A: アクセシビリティの規格や支援技術は常に後追い。支援技術や規格は後追いで整えていくことになると思う。

A: なお、お客さんが HTML5 でと言ってきたら、支援技術が整っていないので十分なアクセシビリティが確保できないことを伝え了承してもらった方が良い。

機種依存文字(を初めとする環境の差異による弊害)はアクセシビリティの範囲外という考え方は印象的だったな。その考え方だと、回線帯域のことなども考えなくて良いということになってしまうので無視して良いものとは言えないと思うんだけど、その辺は対象とする範囲が発散してしまわないよう小さく的を絞ったということだろうか。

なお、総務省のみんなの公共サイト運用モデルは今年度改訂の見通しとのこと。