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2011/10/11
_ [Web制作][アクセシビリティ] 第2回アクセシビリティBAR 『秋の文字サイズ変更ボタン祭り』に行ってきた
第2回「アクセシビリティBAR」秋の文字サイズ変更ボタン祭りなるものが開催されるという話題を見かけて、参加してきた。
ATND で自分より前に参加表明されている方々が結構コアな面子で「俺なんかが行っていいんだろうか」というところもあったのだけど、この話題については自分も以前「いらないよね」というネタを書いている以上、参加すべきだろうと。
全体の流れとしては、太田さんが作成された資料…企業サイトを適当に見繕って文字サイズ変更ボタンの設置状況がどうだったかを見てネタにしていくのだけど、
- どこに文字サイズ変更ボタンがあるのかぱっと見わからないサイトばかり
- 中にはファーストビューにボタンがないサイトも
- 「大」を押しても10%程度しか大きくならないサイトが多く、中には「大」でも100%以下のサイトも
- 大抵のサイトは「小・中・大」だが、中には「ぁ・あ」のサイトも。これで意味通じる?
- 多くのサイトはトップページに画像がてんこ盛りなので、そもそも文字サイズ変更ボタンを押してもそれが反映される範囲が酷く少ない
- トップページのサイズは変わるけど、「重要なお知らせ」等には反映されないサイトや、そもそもお知らせが PDF になってるサイト
- IR サイトと CSR サイトにそれぞれ異なるボタンがあるが、それ以外にはないというサイトが複数社
等々、あーあるある、みんな意味ないよねーという話題で盛り上がる。(他所のことと笑っていられない部分多々あり)
この話の中で「おおおおなるほどーーーー」と思ったのは、「なぜ IR サイトにだけ文字サイズ変更ボタンを置いている会社がいくつもあるのか」に対する仮説、「IR サイトの想定訪問者が高齢層だからだ」…ではなく、「2006年頃?にどこかが作った『IR サイトランキング』(的な何か) の評価項目の一つに『文字サイズ変更ボタンがあるかどうか』が掲げられていたことが根源なのではないか」というもの。
そういう基準を作られて「ボタンを置いてないから」という理由で第三者にマイナス評価されちゃうと、よほど強い自分の考えを持っているサイトオーナーでもない限り、制作会社に「ボタンつけてくれ」ってオーダー出しちゃうよねー、という話。これはその評価基準を作った奴が阿呆としか言いようが無い。
ところで、本日見た中では東京都の文字サイズ変更ボタンは次の点から最も優秀。
- 2段階や3段階ではなく、無段階(?)に拡大・縮小できる (三菱電機も似ていて9段階に拡大縮小できるのだが、1回「大」を押すと「大」がハイライトしてしまうため、これ以上大きくできないかのように見えてしまうのが NG)
- JIS に定められている「デフォルトサイズの200%以上に拡大できる」が達成されているのは今日見た中では唯一東京都だけ
ただ、実装がよくできていれば良いのか? 諸々の文字サイズ変更ボタンが無意味なのは実装が酷いからなのか? もしそれが理想的な実装になっていれば、必要とするユーザに有意義に使ってもらえるのか? というと、(自分はどんな理想的な実装でも極めて存在意義が希薄と思っているけれど) それは明確に肯定も否定もできる材料を誰も持ち合わせていないのが現状。
そこで、誰か利用状況の統計分析してます? という話になるわけだが、取っているという手は上がらなかった。ただ、仮にきちんと統計を取って「訪問者のうち○%がそのボタンを押している」という統計値が取れたとしても、本当に必要で押しているのか、興味本位で押しているのか判別できないし、難しいよねえ、と。(クリック数0だったら話は別だけど)
まとめると、参加者一同「あれは意味が無い、ブラウザが実装すべきもの」で見解が一致しているものの、かといって使いやすい文字サイズ変更機能を各ブラウザが実装していないという現実もあり (特に IE6 は5段階にしかサイズ変更できない)、さて困ったねえ、結局ブラウザベンダ交えて話をしないといけないんじゃない? というところに最終的に帰結したように思う。