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2007/12/20
_ [Web制作][アクセシビリティ] 『Webアクセシビリティ』出版記念セミナー行ってきた
さっとめくった限りでは良くまとまった本なのだが、あまりに厚いのでなかなか腰を落ち着けて読む余裕がなかったので、訳者勢揃いの中で概要や補足情報を聞く時間を設けられたのは良かった。
以下メモ。
音声読み上げ関連
- IBM はホームページ・リーダーの開発中止を宣言してる、IE7・Vista 対応版は出ない
- 音声読み上げソフトの PDF 対応に関しては FocusTalk が一番進んでる
- 課題は UA (特に読み上げソフト) のサポート向上、日本の現状は決して良くない
- HPR は3.04で PDF と Flash に対応したことになっているが、実際思うように読み上げられない
PDF 関連
- Adobe Reader そのものも、コントラスト、折り返し、自動スクロール等のアクセシビリティ機能を提供してる (折り返し調整機能便利)
- Acrobat Professional のチェック・修正機能、TouchUp 読み上げ順序ツール
Word から PDF を作る場合のポイント
- 文書構造を [書式] - [スタイルと書式] で定義する (HTML のマークアップと同じ感覚)
PDF 変換時に自動的なタグ付けが可能となる - 画像ファイルの挿入時には代替テキストを記述
HTML の ALT 属性と同じ要領 - 段組レイアウトは [書式] - [段組み] で設定
罫線を非表示にした表は使わない (HTML の TABLE レイアウトと同じ)
[Adobe PDF] - [変換設定の変更] (8の場合は [Acrobat] - [環境設定]) での確認ポイント
- 設定タブで、タグ付き Acrobat でアクセシビリティを折り返しを有効にする
- セキュリティタブで、スクリーンリーダーデバイスのテキストアクセスを有効にする
- しおりタブで、Word の見出しをしおりに変換 (他は基本的にやらなくて良い)
- しおりは読み上げソフトだけでなく全てのユーザの使い勝手が向上する、ぜひ押さえておくべき
その他 Acrobat での作成時のポイント
- Pro 版のアドバンスド→アクセシビリティ→完全チェック
- 言語指定 (Word 等の元ファイルでは設定できないはずなので、Acrobat で追加する)
- 代替テキスト (PDF でもつけられるし、Word でもつけられる)
- TouchUp 読み上げ順序ツール
JavaScript
- 本書では Ajax 等のリッチコンテンツについては記述が少ない (本が書かれたのが2005年だったためと思われる)
- 「控えめな JavaScript」ならよし
「このページは JavaScript が必要です」は NG。なくても使えるようにする。あればより便利に使えるようにする。 - 決まり事を無視しない
例えば JavaScript (と CSS) を使えばフォームもリンクも使わずにボタンを作ることができるが、やってはならない。既存の慣習にならうこと - JavaScript を使って初めて適切なポップアップウィンドウを作れる
RIA
- Accesible Rich Internet Application (ARIA)
W3C の WAI-ARIA、Mozilla の ARIA - WAI-RIA の3ポイント
- role 属性と state 属性の付与
部品の Semantic 情報 (部品の役割と状態) を支援技術に伝える - live region
部品が変化した際に支援技術がどう対応するか指定 - TabIndex
全要素にタブキーでフォーカス、タブオーダーを制御、カーソルキーなどでも制御 (これは今でも使える。TabIndex を付与すれば、リンクとフォーム要素以外でもタブでフォーカスできるようになる) - WAI-ARIA を利用できる支援技術は少ない
- Firefox 2.0 から対応開始
- Windows-Eyes + Firefox が最も対応が進んでいるが日本語版無し
- JAWS + Firefox も対応しつつある、日本語あり
WCAG 2.0
- WCAG 2.0 では、Accesibility Supported という概念が持ち込まれている
- これは使える、これは使えない、という
- そういう概念について、日本で誰かが宣言する
- それは誰が作るのか。W3C は作らないと言っている。ということは僕ら (渡辺) が作ることになるのか。
- WCAG 2.0 は順調に進んでも2008年末頃?に勧告。毎年「来年末頃か」と言っているので正直なところいつになるかわからない。
- 各国は WCAG 2.0 勧告を待っているので関連するガイドライン等も早い時期に反映されるだろう
- 日本規格協会の INSTAC で、アクセシビリティ専門のサイトができている
音声読み上げソフト
- NVDA というスクリーンリーダーを OSS で作っている
- JAWS に近いことをできるが、まだ使い勝手や日本語読みに課題がある
- NVDA は今日本語の音声読み上げエンジンがないために日本では目的を達成させられていない
- そこで GalateaTalk
- アメディアのボイスサーフィンもあるよ
- ただのスクリーンリーダーでは十分な使い勝手を得られない。
- 高知システム開発は、PC-Talker + IE では不十分だということで NetReader というソフトをこの秋に出した
- JAWS は自前で HTML 解析をしているから他にはできていないことができる
静的な Web ページではなく、Web システムをアクセシブルにするには?
- 評価の仕方に課題がある。ヨーロッパなどでも規格の検討は進んでいる
- メーカーに勤めている人によると、そういうことをやろうという話はあるんだけど、ニーズがないと言っていた。いかに仕様に盛り込むか。
- 以前某 K 市の人に聞いた話では、市にガイドラインはあったけど、実際できあがったシステムが酷かった。ベンダーの某 N (DATA のつかない方) に改善を要求したが無理だと言われた。これも元々の設計がアクセシブルでないところに、後から追加しようとしても無理だと言われる。最初の仕様が大事。