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2009/04/05
_ [PC][Windows][セキュリティ][ソフトウェア][ベンチマーク] 各ウイルス対策ソフトのメモリ使用量比較 (2008年8月版)
昨今のウイルス対策ソフトはメモリ食いが酷い。
アンチウイルスソフトだけでメモリ 100MB 消費、200MB 消費は当たり前になっており、メモリが 256MB しか搭載されていないような古い PC では致命的な打撃になっている。(社内はまだそんな PC が溢れかえっているというのに…) 「完全性や機密性が保たれても可用性が地に落ちたら寧ろセキュリティ下がってるんじゃね…?」とすら言いたくなる今日この頃。
…という世情を認識してか、2007〜8年あたりから各メーカーともに新バージョンでの軽量化をアピールするようになった。
が、どの会社も前バージョンより何割軽くなったとか (で、具体的にいくらなの?) プロセスのメモリ消費量がこんなに少なくなったとか (メインプロセスが軽くなってもバックグラウンドサービスが増えたりしたら意味ないから OS トータルで見ないと参考にならないんですが) 言うばかりで、同等の評価基準で比較できるような参考情報がなかなかない。
というわけで自力で比較してみた。…と言っても比較したのは半年以上前の話なのだが、結果のデータが発掘されたのでちょっとまとめておく。
比較条件
- Virtual PC 2007 上に作成したメモリ 384MB の仮想マシンに Windows XP Professional SP3 と Virtual PC 追加機能のみインストールした状態
- 設定等は全てデフォルト、ただし Automatic Updates サービスのみ無効に (OS 起動後に自動更新チェックがかかると検証の妨げとなるため)
- 各ウイルス対策ソフトは、デフォルト設定でインストール後ウイルス定義ファイルを2008年8月8日時点の最新版に更新のうえ2回再起動
- スタートアップに taskmgr を登録しておき起動と同時にタスクマネージャが起動されるようにしておき、パフォーマンスのグラフが初めて左端まで埋まった瞬間 (=ログオン後2分強放置) に情報採取
- 特定プロセスのメモリ消費量等ではなく、システム全体のコミットチャージが素の Windows の時と比べていくら増えたかで評価
対象製品
- Norton AntiVirus 2008
- Norton Internet Security 2008
- Symantec AntiVirus 9.0.3
- Symantec AntiVirus 10.1.5
- Symantec Client Security 3.0
- Symantec Endpoint Protection 11
- ウイルスバスター 2008
- ウイルスバスタービジネスセキュリティ 3.6
- McAfee Internet Security Suite
- ESET NOD32 アンチウイルス V3.0
- ESET Smart Security
- Kaspersky Internet Security 7.0
- Kaspersky Anti-Virus for Windows Workstation 6.0
- Windows Live OneCare
- Forefront Client Security
- avast! 4 Home Edition 4.8
- avast! 4 Professional Edition 4.8
- AVG Anti-Virus Free Edition 8.0
- AVG Anti-Virus 8.0
- AVG Internet Security 8.0
結果
ソフト | インストール後コミットチャージ (KB) | 素の Windows との差 (KB) |
---|---|---|
なし | 87,604 | 0 |
ESET NOD32 アンチウイルス V3.0 | 121,380 | |
ESET Smart Security | 122,264 | |
AVG Anti-Virus Free Edition 8.0 | 168,800 | |
Kaspersky Internet Security 7.0 | 169,916 | |
avast! 4 Home Edition 4.8 | 174,072 | |
avast! 4 Professional Edition 4.8 | 174,140 | |
AVG Anti-Virus 8.0 | 176,172 | |
Kaspersky Anti-Virus for Windows Workstation 6.0 (アンチウイルスのみ) | 177,964 | |
Kaspersky Anti-Virus for Windows Workstation 6.0 (完全インストール) | 181,384 | |
Norton Internet Security 2008 | 182,980 | |
Norton AntiVirus 2008 | 184,604 | |
McAfee Internet Security Suite (VirusScan のみ) | 185,036 | |
AVG Internet Security 8.0 | 202,144 | |
McAfee Internet Security Suite (フルインストール) | 208,792 | |
ウイルスバスター 2008 | 210,900 | |
Symantec AntiVirus 9.0.3 | 213,092 | |
Windows Live OneCare | 227,168 | |
Symantec AntiVirus 10.1.5 | 231,764 | |
Symantec Endpoint Protection 11.0 (ウイルス・スパイウェア対策のみ) | 243,056 | |
Symantec Endpoint Protection 11.0 (フルインストール) | 261,180 | |
Symantec Client Security 3.0 | 283,672 | |
ウイルスバスタービジネスセキュリティ 3.6 | 353,204 |
備考
- Forefront Client Security はインストーラが起動せずインストールすらできなかったため評価不能だった。
- Symantec Client Security 3.0 は、2分経過する直前までコミットチャージ 350MB 程度に上がっていた。システム要件に書かれている「128MB の RAM」との乖離が酷い。詐欺だ…
- ウイルスバスタービジネスセキュリティ3.6は、インストールすると Apache も一緒にインストールされた。また、ユーザアカウントが1つでパスワード空にもかかわらず、起動時にようこそ画面で一時停止しユーザ名をクリックしないとログオンされないようになった。
- Norton AntiVirus 2008、Norton Internet Security 2008 は、LiveUpdate の更新処理が信じられないほどどうしようもなく遅かった。(2〜30分かかった。初回だけなのかもしれないが…)
メモ
- 今回はあくまで OS 起動直後のメモリ消費量のみの比較。スキャン中、スキャン後のメモリ消費量や、スキャン速度については未計測、未評価であることに注意。
- ウイルスバスタービジネスセキュリティが酷すぎる。さすが500メガショックの伝説を作ったバスター。これだけは絶対に使いたくない…
- 突出しているウイルスバスタービジネスセキュリティの陰に隠れてはいるものの、Symantec の法人向け製品も全般に酷い。
- Norton AntiVirus の方が Symantec AntiVirus より大幅に軽かったり、ウイルスバスターの方がウイルスバスタービジネスセキュリティより大幅に軽かったり、メーカーによっては個人向け製品の方が軽い傾向がある模様。
- NOD32、ESET Smart Security が謳う軽さは本物。圧倒的。
- 素の Windows XP SP3 がたった 86MB しか消費しないというのも軽い驚き。OS 本体の3倍メモリを喰うウイルスバスタービジネスセキュリティ…
とりあえずメモリ消費量についてはこんな感じ。また暇を見て2009年バージョンの各社比較やスキャン速度比較もやってみたいところだけど、今日はこんなところで。
そんな最強な NOD32 / ESET Smart Security アサマシエイトしておきます。
参考になった方はどうぞ↓
B0019SZZKM
B000XP98NM
ほか参考になるサイト
すでにあれから4年以上経過。<br>2012版の比較がみたいです。