スペースモラトリアムノカミサマ

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2012/08/27

_ [PC][ハードウェア] Crucial Adrenaline で Windows 7 作業環境を快適化した話

昨今の Intel の上位チップセットには、SSD を HDD の大容量キャッシュとして利用する ISRT が搭載されていて、チップセットから自分で選べる場合は、SSD の快適さと HDD の容量を兼ね備えた素敵な作業環境を得られるのだけれど、チップセットを自分で選べない境遇も少なくない

ではそういう恵まれない環境では、昨今の OS やウイルス対策ソフトが求めるディスクアクセスの肥大化に対してただ泣き寝入りするしかないのか、と思っていたら、この4月に Crucial Adrenaline という製品が出ていたことを知った。これを使えば、OS が Windows 7 に限定される代わりに、チップセットを問わず SSD キャッシュを利用できるようになるとのこと。

日々 Windows 7 (というより専ら某 S 社のウイルス対策ソフト) が時折気が狂ったように大量ディスクアクセスを発生させ鈍重になることにウンザリしつつも、本体ごと換えるわけにもいかず参っていた身には救世主のような存在。早速買って使ってみた。

環境

  • エプソンダイレクト AT980E
  • Core i5 661
  • HGST HDS721010CLA332
  • Windows 7 (32ビット)

ここに Adrenaline を追加し、各種数値を採った。

(AT980E は、省スペースデスクトップでありながら SATA 4ポート搭載、HDD 2台内蔵可、さらに SSD を突っ込む隙間も残っているというなかなか有り難い PC であります。)

諸条件

  • HDD は PerfectDisk 12 を使って最大限デフラグ済みの状態
  • 各アプリ起動時間は OS 起動後初回実行時の時間
  • 一連のテストをそれぞれ3~4回繰り返しての平均値
  • Adrenaline 導入後初回は HDD のみと大差ないため1回流して2回目以降の数値を利用
  • ストップウォッチでの手計測なので秒レベルでの誤差がある

結果

POST 後 CPU 使用率5%以下になるまでの秒数
HDD のみAdrenaline 追加後高速化率
「ようこそ」画面になる67.821.5315%
デスクトップが表示される47.210.5450%
CPU 使用率が5秒以上連続して5%以下となる156.424.2646%
271.456.2483%
各種アプリ起動等にかかる秒数
HDD のみAdrenaline 追加後高速化率
IE95.61.9295%
Word 20108.24.3191%
Excel 20102.91.9153%
Becky!8.44.4191%
シャットダウン23.215.6149%
CrystalDiskMark 3.0 スコア (MB/s)
HDD のみAdrenaline 追加後高速化率
Seq Read99.16208.66210%
Seq Write94.07107.22114%
512K Read44.87181.92405%
512K Write50.69109.96217%
4K Read0.6514.812,271%
4K Write1.1532.042,796%
4K QD32 Read0.7027.994,027%
4K QD32 Write1.2177.576,426%
CrystalDiskMark 3.0 スクリーンショット
HDD のみAdrenaline 追加後
スクリーンショットスクリーンショット
起動後落ち着くまでのパフォーマンスグラフ
HDD のみAdrenaline 追加後
スクリーンショットスクリーンショット

まとめ

Adrenaline 自体は 6Gbps 対応だが本体側が 3Gbps までの対応なので、本来の性能を半分程度しか生かせていない。

しかしそれでも OS 起動は大幅短縮、その後のアプリ起動時間はさほど短縮はされていないものの、不意に裏で大量 I/O が走り始めて体感的にイラッと来る状況は非常に少なくなった。

というわけで、Intel の上位チップセットは利用できないけど HDD の遅さにウンザリしている Windows 7 ユーザにお勧めです。

B007S91ERE

(2012/12/21追記)

数ヶ月使ってみた結果、基本的に快適ではあるのだけど、2~3日連続稼働させるとディスクの書き込みエラーを起こし始めて各種アプリが多様な異常終了をし始めたり、再起動時に「シャットダウンしています…」から先に全く進まなくなる問題が頻発している。

まあ1~2日以内に再起動してりゃ問題ないんだけど、他にも何か自分が気づかない問題を起こしているのではないかと思うとちと怖いですね。Z77 で ISRT 使ってるマシンではこのようなことは起きていないので、できればそっちを使った方が安心ですね。

余談

ところで、「アドレナリン」というと変態仮面を連想せずにはいられない世代であります。

作者のあんど慶周先生はその後ジャンプで全く見かけなくなりましたが、Wikipedia で調べたらその後イラストレーターとして活動されており、2010年には書き下ろしの変態仮面新作が出版されていたとのこと。

4086190370

こ、これは気になる…。